(サラ金・マチ金・ヤミ金・システム金融・商工ローン等、多重債務対策会議)
■出資法と利息制限法を一本化して利率を引き下げよ■
若松会の相談者は毎回増え続けていますが、当然特定調停や過払い返還訴訟の申し立て件数もそれだけ多くなっています。そこでとまどうのが出資法と利息制限法の二つの法律です。なぜ日本にはこのような二つの法律があるのか、素人には理解に苦しむところです。しかも一方(出資法)には罰則があって一方(利息制限法)にはないのです。この不可解な二つの法律を一本化し、同時に利率を下げるべきです。普通預金の年利0.02%に比較して、出資法の利率(29.2%)はなんと1460倍にもなるのです。
●裁判所が消費者金融に対し計算書の提出要望書を発令
9月より特定調停の一部を改定
9月26日、東商連の呼びかけで、東京簡易裁判所に「調停員の態度改善を求める」要求を行いました。過去2回の要求運動に続き、今回で3回目となります。当日は新宿民商をはじめ、6民商から12名が参加し、裁判所側からは馬場氏と長瀬氏が応対、約1時間の話し合いが行われました。
そのなかで、各民商が直面してきた特定調停の現場でのトラブルや問題点などを提起して、調停員の指導と教育をお願いしました。馬場氏は、調停員の態度改善にむけて「学習会などの場を使って問題提起し、改善していきたい」と再教育を約束しました。
最後に、長瀬氏から「今年の9月1日から、大手消費者金融には調停申し立て者の利息制限法による計算書の提出を要望する、という文書を発送してあります」との報告がなされ、今後調停の席で計算書をもとにした話し合いが行われることへの期待感が高まりました。
私たちが調停のときにもっとも苦労するのが計算書の入手です。これまでの例を取ると、申し立て者がまったく資料を持っていない場合などは、相手側は素直に計算書を提出してきませんでした。要求してもそれに応じなかったり、取り引きの途中からしか提出してこないことがほとんどだったのです。
ところがこれからは、裁判所からの提出要望により、サラ金としても計算書の提出が義務づけられることでしょう。同時にそれは私たちにとって過払い裁判のときの貴重な資料となるに違いありません。
しかし、気をつけなければならないことがあります。それは、簡素化される調停の結果、相手も含めて十分な話し合いがなされるかどうかという点です。また、計算書が正しいかどうか少しでも疑問を感じたら、その内訳書の提出を要求してください。サラ金は、計算書の改ざんなどを平気でしてきます。とくに申し立て者の側に資料が乏しいときは、調停員がサラ金側の計算書を鵜のみにしてしまう場合があるのです。
一方的な貸金業者の言い分だけで終わらせないためにも、資料をそろえたりして、申立人の責任できちんと学習をして臨みたいものです。
[改定の一部]
◆貸金業者に対し、以下の2通を2週間以内に裁判所に送ることを文書で依頼している。
(1)利息制限法で引き直した計算書
(2)契約書の写し
〈解説〉事前相談のとき、相手方の資料をそろえて債務額が確定できるようにし、調停のスピード化を計るのが目的。これまでは事前準備はなかった。
●利息制限法を超える利息は払わなくていい
出資法という法律で、貸金業者に認められている上限金利は、現在年利29.2%です。
しかしこれは、これを超える利率で貸付をすれば刑事罰が科せられるというだけのもので、日本で利率として有効と認められているのは、利息制限法による利率です。つまり、利息制限法所定の利率を超える利息は、本来「払わなくてもいい利息」なのです。
●誤りを認めた調停裁判官
喜びのNさん 「再調停してよかった」
ニュース2号でも紹介したように、初めて特定調停を申し立てたとき、調停員と業者の間の話し合いだけで一方的に支払い条件などを決められ、不本意ながら決定に従うことにしたNさんでしたが、若松会で相談するうちに、それはおかしい、ということに気づき、再調停を申し立てました。
セゾンの場合も、昭和59年の契約書を相手側が提出していながら、平成8年からの取り引きしかない、と矛盾することを言い張ったセゾンに対して、自動引き落としの記帳もあり、当然過払いがあるはずと疑問を投げかけるNさんの言うことを無視し、調停員は「大きな会社だからそんなウソは言うはずがない」として、約18万円の残債務を決定したのです。おかしいことですが、これが最初の調停の実際だったのです。
9月19日の再調停で、セゾンは今度は平成3年からの取り引きを主張した上に、過払いがあるが債務不存在にしてほしいと訴えました。そのとき、調停主任裁判官がセゾンの担当者を前にして言ったのです。
「事情を聞きましたが、前回のとき、Nさんには当裁判所としてたいへんな迷惑をおかけしていますから、今回は訴訟を起こすことが可能なような調書を作ります。……よかったね」
9月21日、別件の調停日には、調停員が不調を勧告、裁判を勧めてくれました。
「民商の人とよく相談して、(過払い返還に向け)他の件も早く裁判を起こしたほうがいいですね」
過払い裁判の準備中ですが、「再調停して本当によかった」というのがNさんの偽らざる実感です。
●マチ金も利息制限法にはかなわない
緊急現場レポート
元多重債務相談者が今度は新規の相談者の解決の先頭に立つ
元木さん(仮名)は、かつて多重債務の相談者として若松会に参加されました。そして今、立場を変えて新規の相談者の解決に全力をあげています。
電話の向こうでどなる声
「弁護士でもないのにあんた達にそんな権限があるのか!」
Yさんが抱えていたマチ金との交渉を任され、少しでも過払い金を取り戻せればと、「0和解ならかまわない」と言っていたはずの業者に初めて電話をかけたら、いきなりどなられた。若松会に参加して2カ月にも満たず、まだ自分自身の問題も片付いていないこの身には、はっきりいってこたえた。しかし交渉に入る前に「0和解でいいと思ってたけど、落ち着いてみたら少しでも取り返したいですね」と語ったYさんの気持ちは痛いほどわかる。
新宿民商
若松会ニュース
No7 P1